interview/インタビュー
M&A成約インタビュー
Case 1:弊社の生き残りと
さらなる飛躍を目指して。
譲渡企業(売主様):
相吉産業株式会社(山梨県甲府市)
食品用資材卸売業 社員数24人
譲受企業(買主様):
エムジーホールディングス株式会社(愛知県名古屋市)
製造業を中心としたホールディングスカンパニー 社員数230人
Q. 貴社の事業内容と沿革、また古屋様の自己紹介をお願いします。
弊社、相吉産業株式会社は山梨県甲府市に本社を置き、主にアイスクリームメーカー様向けに木製スティックや木製スプーンなどを輸入販売している企業です。今から約70年前の1952年に相吉正夫が創業し初代社長に就任しました。
当時、アイスキャンディのスティックといえば割り箸のようなものを半分に折り、本体に突き刺すようなもので品質的にも安心・安全をお届けできるようなものではありませんでした。そこでスティックを安全で高品質な現在の形をデザインし、また自社で大量供給できるようスティック製造機械を発明し中国へ技術供与するなど、木製スティックの普及と品質向上に努めました。
お陰様で当時は、競合企業も少なく国内主要アイスクリームメーカー様からの受注に支えられ、一時は国内シェアの過半数を占めるまでになりました。
弊社の強み・特徴としましては、海外にて製造・加工された木製スティックを自社工場の先進機器を用いて検査及び殺菌を行っていることです。海外で生産された木製スティックは、中にはささくれや欠け、シミなどが不良品として一定割合混ざります。また衛生面でも懸念がないわけではありません。
競合他社のほとんどは海外より輸入した木製スティックをそのままアイスクリームメーカー様に販売していますが、弊社はこの検査体制に対して高いご評価をいただいております。現在は、年間で約10億本もの木製スティックを販売しております。
私、古屋は創業者四女の夫です。2013年より妻の家業を手伝うため相吉産業に入社。その後2020年には代表取締役に就任しました。今回のM&Aが成立した2022年12月以降も取締役として会社に残り、事業成長のため日々尽力いたしております。

取締役 古屋 幹雄 様
お陰様で当時は、競合企業も少なく国内主要アイスクリームメーカー様からの受注に支えられ、一時は国内シェアの過半数を占めるまでになりました。
弊社の強み・特徴としましては、海外にて製造・加工された木製スティックを自社工場の先進機器を用いて検査及び殺菌を行っていることです。海外で生産された木製スティックは、中にはささくれや欠け、シミなどが不良品として一定割合混ざります。また衛生面でも懸念がないわけではありません。
競合他社のほとんどは海外より輸入した木製スティックをそのままアイスクリームメーカー様に販売していますが、弊社はこの検査体制に対して高いご評価をいただいております。現在は、年間で約10億本もの木製スティックを販売しております。
私、古屋は創業者四女の夫です。2013年より妻の家業を手伝うため相吉産業に入社。その後2020年には代表取締役に就任しました。今回のM&Aが成立した2022年12月以降も取締役として会社に残り、事業成長のため日々尽力いたしております。
Q.当時事業は順調だったようですが、当時の本社工場が火災に見舞われたとお聞きしました
はい、2016年に工場にて火災が発生しました。後の調査によると漏電が原因だったようです。工場には自社の強みの源泉である木製スティックの検査装置、また倉庫には販売予定の製品も多数保管されておりました。これらが一晩にして全て無くなってしまったのです。火災直後は、事業継続すらも危ぶまれた状況でした。
しかし大変ありがたいことに取引先様からは事業再開の要請を多くいただき、また当面の木製スティックの供給停止にもご理解をいただき、本社工場を一から再建し、1年半後には何とか事業の再開を果たしました。

Q. 譲渡を検討した理由や背景を教えてください。
弊社は長らく後継者がいない状況が続いておりました。
業績自体は火災発生からの事業再開以降、順調に業績は回復しておりましたが、社員の高齢化、人手不足は深刻でした。また、木製スティック、木製スプーンという高付加価値化や差別化の難しい商品特性もあり、商品調達や販売の際の価格交渉力も強くはありませんでした。
そんな中、最も大きなきっかけとなったのは創業者である相吉正夫が2022年2月に逝去したことです。当時より私自身は自社株を保有しておりませんでしたが、会社のシンボルである相吉正夫を失った今、M&Aによる第三者への承継が自社を永続させる唯一の手段であると結論を出し、当時の相吉産業の顧問税理士先生よりビズテラスの土井さんをご紹介いただきました。その後、相続人の承諾を得て2022年4月には正式にビズテラスへM&Aの依頼をいたしました。

Q.ビズテラス株式会社の紹介により2022年7月、後の親会社となるエムジーホールディングス社とお会いされました。エムジーホールディングス株式会社のご紹介と、初面談でのご印象をお教えください。
エムジーホールディングス株式会社は名古屋市に本社を置く製造業グループです(https://www.mgholdings.co.jp/)。売上は約80億円、社員数は230人ほどの中堅企業であり、半導体部品や自動搬送装置、画像処理装置の製造、組込系システム開発などを行っております。グループ内の企業同士が各自の技術を集結させ新たなサービスや商品を提供するいわゆる「技術屋集団」です。
土井さんのご紹介により2022年7月初旬、弊社本社にてエムジーホールディングス社の社長、取締役と初めて面談しましたが、2人の明るくエネルギッシュな姿が今でも強く印象に残っています。面談当日はとても緊張しましたが、工場見学から互いの自己紹介、会社紹介、質疑応答を経て夜はお食事までご一緒し、距離を一気に縮めることができました。
Q. エムジーホールディングス社との交渉中に感じた不安など、当時のお気持ちをお教えください。
交渉は約5ヶ月間に及びましたが、終始スムーズに進行しました。
しかし、その間、ずっと不安だったのが2022年2月ロシアによるウクライナ侵攻を契機とした円安の進行です。土井さんにご相談した2021年12月当時は1ドル当たり約113円台、2022年7月のエムジーホールディングス社との初面談時で約135円、そこから2022年10月には145円を突破しました。弊社は製品を全てドルベースで輸入仕入していたため、円安はそのまま仕入値の上昇に直結し、利益の減少に繋がります。交渉中は、エムジーホールディングス社から為替を懸念に交渉を打ち切られるのではないか、常に心配と不安を感じていたものです。
また10年以上前から稼働していない中国子会社の清算対応や、遠方にお住まいの相続人への説明及びご賛同の取り付けなど、やるべき事は多々ありましたが、土井さんのアドバイスとサポートを元に1つ1つ着実に対応・解決をしていきました。
Q. その後、M&Aのプロセスの1つである買収監査(デューデリジェンス)をご経験されました。ご感想はいかがでしょうか?
いずれ買収監査(デューデリジェンス)を受けることは当初より聞いていましたが、想像より膨大な質疑応答や資料提出などの対応依頼が一気に押し寄せ、また監査日まで時間が短かったこともありとても大変でした。当時の資料を見返してみましたが、財務、労務、法務のそれぞれの分野から400件以上もの依頼事項を2週間程度で対応したようです。
当時、社内にM&Aの話は一切しておりませんでしたが、通常業務をこなしつつ一人で準備を完了させることはマンパワー的に難しいと判断し、信頼できる経理メンバーに本件を開示し、協力を仰ぎました。買収監査を受けるのは初めての経験でしたが、土井さんのサポートもあり何とか監査当日に間に合わせ、とても安堵した思い出が残っています。
Q. 約5ヶ月に渡る交渉の結果、ついに2022年12月1日にM&A成立を迎えました。その時のお気持ちをお教えください。
当初より私は、弊社の現状打破のためにはM&Aが唯一の手段であると考えておりましたので、無事譲渡を迎えた日には、まずとても安堵しました。今振り返りますとM&Aのプロセスははじめから終わりまであっという間だったように感じます。
当然、M&Aの成立はゴールではありません。ここをスタート時点として、今後会社が大きく変わっていくことに対し、大きな期待と不安を抱いたことを今でもよく覚えています。

Q. 譲渡後から約一年半が経過しました。M&A成立による会社の変化についてお教えください。
M&A成立後、エムジーホールディングス社と弊社の現場が一体となり100日ほどの集中的なPMI(経営統合に向けた各種作業)が実施されました。その後はエムジーホールディングス社から派遣・出向された経営者とともに二人三脚で事業基盤の再整備に取り組んできました。
代表的な取り組み事例としましては、
・規定・組織体制の再整備
・勤怠システムや会計システムの刷新
・赤字取引撲滅のための取引先様、仕入先様に対する聖域なき条件交渉
・設備や販売不能在庫などの遊休資産の廃棄
・高利借入など負債のスリム化
・新会計システムの導入
などが挙げられます。現在は数十年ほど使用してきた販売・物流システムの刷新に取り組んでおり、これをもって基盤整備の目途も立ちそうです。
業績面でもM&A初年度の決算で大きな膿を出し切り、今期以降、継続的な黒字運営が可能な組織体制が整いつつあります。
報告・連絡・相談や他部門・他担当との連携など、社員の意識や基本動作も目に見えてレベルアップしており会社と個々人双方の成長を感じます。各社員が自信をもって業務取り組んでくれている様子をみていると、このM&Aが成功であったと断言できるのではないでしょうか。
Q. 最後に事業承継にお悩みの全国の中小企業オーナーに対して、何か一言はありますか?
事業承継においては様々な選択肢がありますが、自分一人で答えを出す事はとても難しいことです。そのため、経験値があり、また客観的かつ公平に最適解をご提案していただけるアドバイザーを選ぶ事が重要だと考えています。
弊社でも急激な円安進行に見舞われましたが、どの会社にとっても事業環境が突然変化する可能性があります。時間が経過するにつれ事業承継の選択肢は狭まっていきます。事業承継はタイミングが重要ですが、早めに意識をし準備を進めていくことが成功の鍵になるかと思います。
M&Aを担当したビズテラス土井からのコメント
売主様、買主様、いずれも私の前々職時代(日本GE勤務時代)にお世話になった方よりご紹介をいただきご縁を結ぶお手伝いができました。インタビューにもありましたが、交渉の最中に大きく円安が進行し相吉産業社の収益力が圧迫されていきましたが、エムジーホールディングス社の姿勢は一切変わらず、最終契約までスムーズに気持ちよく進めることができました。M&A直後は一時的に赤字計上となりましたが、チームの力を結集し、進行期では再び黒字に転換できる見込み、とのことです。
このご縁のきっかけにエムジーホールディングスグループのさらなる飛躍を心より祈念いたします。

本件に関するプレスリリース